Dell、4K 対応高精細 Web カメラ "UltraSharp Webcam" 発売=AI による被写体追従撮影が可能

4K 撮影対応 "UltraSharp Webcam"、AI 自動フレーミング機能搭載

Dell は 4K HDR ビデオ撮影に対応する Web カメラ "UltraSharp Webcam" (WB7022) の発売を開始した。高い低照度性能を持つ大型のイメージセンサ採用と AI による自動フレーミング機能が特徴である。

Dell デジタル 高解像度 Web カメラ

リモートワークやオンライン授業が定着するなか、高品質な Web カメラを求める声は少なくない。Dell がローンチした "UltraSharp Webcam"(日本製品名:Dell デジタル 高解像度 Web カメラ)の価格は非常にプレミアムであり、199.99ドル(日本の Dell 直販では送料・税込みで31,130円)となっているが、カメラ品質や機能は非常に優れた製品になっている。

"iSight" ライクな個性的デザイン

まず、デザイン面に触れずにはいられまい。最近のトレンドである横長や丸型デザインに反して、非常に奥行きのある細長い円柱型に仕上がっており、Apple が20年近く前に発売した外付け Web カメラ "iSight" によく似ている。

UltraSharp Webcam design

Web カメラとしてはやや大きく感じるが、ノート PC や外部モニタの "狭額ベゼル" にも設置可能である。

高感度特性の "Sony STARVIS"

カメラとして最も重要なセンサには、Sony STARVIS CMOS(8.3 MP、1/2.8")を採用した。STARVIS シリーズは元来、セキュリティカメラ用途に開発された裏面照射型画素技術を使ったイメージセンサ。周囲の明るさを検出して、低ノイズでクリアな映像撮影を可能とする高感度動作が特徴である。

UltraSharp Webcam イメージセンサ

動画解像度とフレームレートは、4K Ultra HD(@30 fps / @24 fps)、Full HD 1080p(@60 fps / @30 fps / @24 fps)、HD 720p(@60 fps / @30 fps / @24 fps)となっている。

フル HD(1,920×1,080ドット)が主流のなかにあって、その4倍の情報を伝達する 4K(3840×2160ドット)という高精細画質をサポートする点は他社製品と差別化が図られているといえよう。

AI 自動フレーミング機能、常に被写体をフォーカス

このカメラを特別にしているのは 4K 対応という高解像度だけではなく、AI を活用した自動フレーミング(自動追従)による追っかけフォーカス(被写体の動きを追尾してフレームの中央に配置する)機能だ。最新の iPad Pro のビデオ通話に搭載された「センターフレーム機能」に類似したテクノロジが導入されている。

Web カメラ本体の向きを変えなくても、ビデオ通話中は自分を常にフレームの中心に置くことができる。なお、このモーショントラッキングは、24 fps / 30 fps で動作するように構成されており、60 fpsでは動作しない点は抑えておきたい。

デジタルオーバーラップ HDR とノイズリダクションで粒子の粗い映像を防止

UltraSharp Webcam HDR
UltraSharp Webcam Video Noise Reduction

高ダイナミックレンジ(HDR)およびビデオノイズリダクションによって、逆光や暗い場所など厳しい照明条件であっても環境ノイズが少なく、また、オートフォーカスによって被写体が最適に表示されるよう自動調整される。

Windows Hello に対応

Windows Hello をサポートする点も大きいだろう。一般的な外付け Web カメラは Windows Hello に対応しないことがほとんどだ。"UltraSharp" は深度センサ(赤外線カメラ)を内蔵しており、顔認証によるセキュアな自動ログインが可能である(Dell Peripheral Manager の「カメラコントロール」から「外部 Web カメラを優先する(Prioritize External Webcam)」オプションにチェックを入れると有効になる)。

また、近接センサも搭載しており、Dell PC であれば PC の前に座っているかどうかに応じて自動的にログインおよびログアウト可能なエクスプレスサインイン(Dell ExpressSign-in)を利用できる。

画角は3段階、最大90度まで切り替え可能

対角視野(FOV)は、90°/ 78°/ 65°の3段階で調整可能。
周囲を広く見せたい時、逆に、周囲を見せたくない時など、ケースバイケースで切り替えられる。

専用アプリ、Dell Peripheral Manager

Dell Peripheral Manager Camera Control

専用アプリ(Dell Peripheral Manager)の「カメラコントロール」では、自動フレーミング、視野、デジタルズーム(最大5倍)、オートフォーカス、優先度の設定、カメラスイッチなどを調整可能だ。

Dell Peripheral Manager Color and Image

また、同アプリの「色とイメージ」では、オートホワイトバランス、明るさ、シャープネス、コントラスト、彩度、アンチフリッカー設定を調整できる。

高品質 Web カメラの需要はあるのか

ノート PC や液晶一体型パソコンには Web カメラが標準装備されていることがほとんどだが、モニターを別途用意して使うデスクトップ PC の場合、Web カメラを用意しないといけない。
また、PC 内臓カメラの品質に不満を抱えているユーザは少なくないはずだ。スペースに限界があるため、どうしても小さなセンサを使わざるを得なく、一般的な内蔵カメラは 720p であるのが現状である。

毎日のようにリモート会議を行ったり、重要な商談を行うケースの多いビジネスパーソンであれば、Web カメラのクオリティが仕事の成果に直結することも十分あり得る。リモートによるビジネスが標準化するなか、ワンランク上の Web カメラを導入するメリットは大きいのではなかろうか。

高品質 Web カメラの競合製品

競合する高性能 Web カメラには、ロジクール "Brio" と Cisco "Webex Desk Camera" の2製品がある。どちらもマイクを内蔵している点は優位点になり得るが、AI による自動フレーミングに対応するのは Dell の "UltraSharp Webcam" のみ。
また、STARVIS センサを搭載する Web カメラとしては、Razer の "Kiyo Pro" と Elgato の "Facecam" があるが、これらは 4K に対応していない。
今のところ、4K 対応と AI フレーミング機能搭載の高性能 Web カメラとして、"UltraSharp Webcam" は唯一無二の製品といって良いだろう。

価格はやや高いが保証期間は3年となっており、手厚いサポートを受けられる点も大きい。なお、マイクは内蔵されていないため、必要に応じて USB や XLR 接続マイクなどを用意する必要がある。

対応 OS、アクセサリなど

対応する OS は Windows 10 / macOS 。
Windows PC の場合、Dell が提供するソフトウェア Peripheral Manager を使うことで、先述の AI 自動フレーミングモードや解像度などの調整などに対応する。

付属品として、マグネットタイプのプライバシーカバー、L 字型のジョイントに加えて三脚アダプターがあり、別売りの三脚に付け替えることも可能だ。接続端子は本体側が USB-C、パソコン側は USB-A(3.0以上を推奨)となっている。


Make the world take notice with the Dell Ultrasharp Webcam


Dell UltraSharp Webcam Unboxing and Set Up


今回紹介した Dell の "UltraSharp Webcam" は、一般的な Web カメラよりかなり高額ではあるものの、性能や機能面で価値を見い出せれば購入リストに載せるだけの動機には十分なり得る。
Dell によると、「インテリジェントで使いやすい、デジタル一眼レフのような画質を提供する Web カメラの開発に挑戦した」という。

ビデオ会議市場は今後も成長を続けて、2026年までに売上高は500億ドルを超えると予想されている。

Dell としても、パソコン売上増を背景に直近の決算は非常に好調ではあったが、半導体の供給不足の影響もあって先行きの不透明感が強い。今のうちに PC 本体以外のアクセサリ分野を充実させておく意義は大きいだろう。

<Sources>



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