バリュードメインで eNom からキャンペーン対象レジストラ(GMO)へ移管・更新する手順について
バリュードメイン(Value Domain)で登録しているドメインを eNom から GMO レジストラへ移管する方法について解説したい。キャンペーンを利用してドメインを更新することで価格を抑えられるメリットがある。
バリュードメインが契約しているレジストラは、GMO、eNom、KeySystems の3社だ。これらはドメイン情報をレジストリ(JPRS や VeriSign など上位機関)のデータベースに登録する権限を持つ。なお、バリュードメインは1つ下の登録代理店(リセラー)という位置づけになる。この辺はややこしいので覚えなくてよいが、つまり、海外レジストラから親会社の GMO にドメインを移管させれば値引きするというオファーになる。
今回は保有している biz ドメインで移管作業をしたが、.com / .net / .org / .info も対象となっている。更新には1週間ほど掛かるため、時間に余裕をもってやっていただきたい。
事前準備 1:サーバーのバックアップ
ドメインの管理会社(レジストラ)を eNom から GMO へ移動させるのがゴールだが、事前準備がいくつかある。まずは不測の事態に備えて、サーバーのデータをバックアップしておくことを推奨したい。本題から逸れるため詳細は割愛するが、FTP によるファイル保存と WordPress プラグインを併用した。なお、バリュードメインが提供するサーバーには、バックアップ機能が標準装備されているので、そちらを活用しても良いだろう。
事前準備 2:ネームサーバーの変更
eNom のネームサーバー(DNS サーバー)から、VALUE-DOMAIN 独自のネームサーバー(国内)に変更しておく。自分で操作しなくても自動的に切り替わるが、繋がらない時間を無くすため、あらかじめ手動で変更しておいた方が良いだろう。なお、移管処理中は変更できない。また、移管後にネームサーバーの設定に問題がないか再確認したい(ns1~4になっていれば OK)。
事前準備 3:DNS 情報・URL 転送の設定
ネームサーバーを手動で変更した場合、DNS 設定は自動で引き継がれないと注意書きに記載されているため、念のために DNS 情報を確認または修正しておく。DNS はドメインとサーバーの IP アドレスを関連付ける設定のことだ。
この他にも、ドメインロックの解除と認証鍵(Auth-Code)の確認をしておくと良いだろう。なお、今回はドメインの登録事業者がバリュードメインのままだったため、認証鍵を使う機会は無いと判断した(結果的に鍵を使わなかった)。
ドメインの移管作業
準備が整ったら、「キャンペーン対象レジストラで更新」のページで更新ボタンを押す。押下後に入金を求められた場合は、不足分をチャージしてから更新を押すと移管作業が前進する。ここについては、入金は後で良いという情報もあったが、私の場合は入金しないと手続きが進まない状況だった。
状態が SkipApproval から PendingRequest(承認待ち)、さらに SentRequest(レジストリ申請済み)になれば、この時点で結果待ちとなる。
移管処理の手続きと更新は1週間程度掛かる(今回は5日で完了した)。また、ドメインの期限や状況によっては失敗する場合もあるようだ。バリュードメインによると、「WHOIS 情報の正確性チェックがあり、正しくない場合は処理ができない」という。
移管完了後のドメインの手続き
バリュードメインへのドメイン移管完了後、WHOIS 情報の確認(必要な場合は修正手続き)と、ドメイン情報認証メールでの承認手続きが必要となる。
WHOIS 情報の一部または全項目が仮情報に設定される場合があるため、WHOIS 情報の確認は重要だ。また、ドメイン情報認証メールの配信が行われた場合、承認手続きを行う。いずれも、移管完了から14日以内に行わないと、利用制限を課されることがあるため注意が必要だ。
理解が難しいポイントとして、マニュアルには「通常の移管時に必要な、メールでの認証・確認作業は必要ありません。(確認メールは送信されます)」と記載されてるが、実際には移管完了後に「WHOIS 情報確認メール」が届き、この認証作業は必須であるという点だ(15日以内に要確認作業)。
これは、メールアドレス単位の承認となり、一度承認すればそのメールアドレスを使う全てのドメインにおいて承認済みとなるという。分かりづらいが、逆に言うと、すでに認証が完了しているメールアドレスに対しては、ドメイン情報認証メールは送信されないということになる(2025年02月にバリュードメインのサポートで確認済み)。
なお、WHOIS 情報がバリュードメイン代行の設定になっている場合、WHOIS 情報代行公開無効時の登録者メールアドレスへ確認メールが送信される仕様だ。ここも分かりづらいが、認証メールが届けば、リンクを押して認証手続きをしておけば間違いないということになる。
申請から5日後に「移管申請結果のお知らせ」メールが届いた。リンクから移管状況を確認すると「状態:Completed」となっていたため、これで移管完了だ。なお、今回の場合、WHOIS 情報確認メールは届かなかった。すでにメアドが認証済みだったようだ。
念のために、WHOIS の登録情報を確認しておく。
「WHOIS 代行は有効です」となっていれば問題はない。その他にも、DNS 情報やネームサーバーの設定に不備がないか最終確認しておこう。
<参考事例>
参考までに、後日、同じ GMO グループの "ムームードメイン" でドメインを取得した際に送られてきたメール『【重要】2週間以内にドメイン情報認証を行ってください』を載せておく。
これには、『ドメイン名登録機関「ICANN」の WHOIS 情報正確性確認方針に基づき、上位レジストラである「お名前.com」(GMOインターネット株式会社)より、お客様の登録メールアドレス宛にメールアドレスの有効性を確認するメールが送信されます』と記載されている。また、『ただし認証はご登録のメールアドレスで一度認証お手続きが完了しますと、新しくドメインを取得された場合、認証メールは配信されず対応は必要ありません』と書かれており、すでにドメインを保有するユーザは、認証手続き不要のケースが多いとみられる。このムームードメインの場合も、すでに別ドメインを登録していたため認証メールは届かなかった。
<注意事項>
- 有効期限まで30日以上あるドメイン、登録・移管から60日経過したドメインのみ移管処理が可能。
- 移管完了後、ドメインの WHOIS 情報が正しく表示されているか確認。必要に応じて修正する。
- ドメインのネームサーバーを変更する必要がある場合は移管後に行う。
- 「キャンセルされました」と表示された場合、12時間以内にバリュードメインポイントとして返金処理がされる。再度、移管申請を行う必要がある。
<Sources>
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