SIMフリースマホを購入する際、特に気をつけたいのが対応する周波数だ。
プロセッサ(SoC)やメモリ(RAM/ROM)容量といった主要スペックに気を取られがちだが、カタログの隅に小さく記載されている対応周波数帯域こそが一番重要といっても言い過ぎではない。
ここを見落とすと、高速なデータ通信ができなかったり、最悪の場合、電波に全くつながらないといった状況に遭遇する可能性があるためだ。
特に、Amazon や EXPANSYS などでグローバル版や海外版を購入する際、そのデバイスがサポートする周波数帯をしっかり調べておかないと痛い目にあう。
同一メーカー同一機種であっても、販売する国やルートによって周波数が異なる。
もっといえば、私の経験上、国内で正規に販売されている端末であっても、周波数だけはよく調べた方がいい。
この点については、販売店やメーカーに確認するようにすればより確実と思われるだろうが、周波数帯域に関しては詳しいスタッフがほぼいないのが実情だ。
まず、ドコモ回線を使うなら4G LTE(FDD-LTE)が、2.1GHz(バンド1)、1.7GHz(バンド3)、800MHz(バンド19)、1.5GHz帯 (バンド21)、700MHz帯 (バンド28)のうち、2.1GHz、1.7GHz、800MHz の3つ、もしくは(最低でも)2.1GHz と 800MHz の2つに対応している必要がある。
なお、2.1GHz は 2.0GHz と記載されることもある。
特に、800MHz帯(バンド19)はドコモのプラチナバンド(つながりやすい帯域)であるため、これをサポートしていない場合、地方やビル街、地下街などで電波を拾いづらくなる。
この 800MHz 帯とはは、770~960MHzの電波周波数帯を指す。
なお、海外版はバンド19に対応する端末は少ないので注意を要する。
加えて、東名阪といった大都市圏では高速なバンド3が用意されているため、該当エリアのユーザは留意すべき点だ。
さらに、バンド42(3.5GHz)はより高速な帯域であり、Premium 4G と呼ばれている。この帯域もカバーしていれば申し分ないだろう。
まとめると、(1)バンド1、19は必須、(2)バンド3もほぼ必要、(3)バンド42は対応していれば心強いというところか。
ドコモ以外では、au(KDDI)は700MHz(バンド28)、800MHz(バンド18・26=プラチナバンド)、1.5GHz(バンド11)、2.1GHz(バンド1)が、ソフトバンクは700MHz(バンド8=プラチナバンド)、1.7GHz(バンド3)、2.1GHz帯(バンド1)が主要な帯域としてそれぞれ割り当てられている。
また、音声通話の際に使われる 3G の周波数もチェックする必要がある。
海外に出張などされる場合、国や地域によって対応周波数が異なるため、さらに注意が必要になる。
より確実なのは iPhone。サポートする周波数が極めて多いため、どの地域に行ってもほぼ大丈夫だろう。
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