マイナポイント、スマホ申し込み時に注意するポイント
マイナンバーカードを使った総務省のポイント還元事業「マイナポイント」は、スマホで手軽に登録・申込可能だが、注意すべきポイントがいくつかある。ちょっとしたミスでマイナンバーカードの暗証番号がロックされたり、さらにサービス自体が利用できなくなるなど、大きな報いを受けるケースがあるため注意が必要だ。
手順自体は至ってシンプルで、スマホにマイナポイントアプリをインストール後、マイナンバーカードを読み込ませて申し込みをするという流れ。以下に、注意事項をまとめたので参照されたい。
早めの予約 + Android でパスワード入力時に要注意
(1)まずは予約(締め切りの可能性アリ)
ポイント還元サービスがスタートするのは9月1日からだが、予算の上限が決められているため、予約(マイキー ID 発行)をしておかないと利用できない可能性がある。
(2)決済サービスの変更不可
決済事業者は1社しか選べず、変更はできない。
(3)Android 端末でのパスワード入力は要注意
Android 端末を使って登録をする際、パスワード入力時にマイナンバーカード を "スマホにかざした状態で" 入力する必要がある。パスワード入力時または認証前にカードを離すなどしてエラーが3回続くと、暗証番号がロックされる可能性がある。
(4)スマホの対応機種と設定の確認
登録に利用できるスマホは一部の機種に限定されているため、事前に確認が必要だ。また、設定画面で「NFC」がオンになっているか、フライトモードを解除しているかなど確認が必要になる。ケースなどのアクセサリは外しておこう。
上記登録時の注意事項について、より詳しく説明をしておく。
(1)まずは予約
予算の上限は約2,500億円となっており、予約者数が上限(4,000万人)に達してしまうと「予約ができない」という事態が発生する。
申し込みは先送りしておいても良いが、まずは予約(マイキー ID 発行)をしておこう。
すでに決済サービスを決めているのであれば、予約直後に申し込むこともできるが、予約をしておいて、後日、申し込むことを強く推奨したい。
サービス提供事業者は今後も増える可能性があるうえ、各社囲い込みのための独自キャンペーンが追加される可能性が高いためだ。
繰り返しになるが、まずは予約することが重要なポイントとなる。
<Update> 7月12日時点でマイナポイントの予約数(マイキー ID 取得者数)は約210万人、申込者数は約115万人だという。まだまだ余裕はあるが、締め切り間近に殺到する可能性が高い。
(2)決済サービスの変更不可
自分にあったサービスを事前に調べておくと良い(対象となるキャッシュレス決済サービス)。電車をよく使うなら Suica、イオンで買い物をするなら WAON、イトーヨーカドーなら nanaco といった具合に、自身のライフスタイルや普段よく使用するサービスを選ぶと間違いはない。7か月間で20,000円以上使うサービスが前提になる(チャージ金額に対して付与率25%、上限5,000円)。ポイントの受け取り方法や付与時期も事業者によって異なるため、事前に調べておくと良いだろう。
すでに、Suica(JRE POINT)は最大6,000円分、WAON は同7,000円分のポイント付与の施策をアナウンス済みであり、d払いや au PAY なども独自のポイント還元を行う。
今後も参加企業やキャンペーンが追加される可能性が高いため、(1)でも言及したが、まずは予約(マイキー ID 発行)をしておいて、各社の動向をみながら自分にとってメリットの大きい決済サービスに申し込むのがベストだろう。
抽選で高額のポイントがもらえたり、域限定の還元キャンペーンなども出てきており、最後の追い込みとなる8月には驚くような施策が展開される可能性が高い。
決済事業者登録および決済サービスの追加登録は7月17日までとなっているが、JCB は参画予定が無いことを明らかにしている。
決済サービスによっては事前登録が必要な場合あり、また、決済サービス ID やセキュリティコードなどの詳細については各社の Web サイトで事前確認が必要になる。
(3)Android 端末でのパスワード入力は要注意
Android 端末を使用した登録時の注意事項として、暗証番号(パスワード)入力画面になっても、暗証番号を打ち終わって認証されるまではスマホをマイナンバーカードから離してはならない。
暗証番号入力時にカードから離すとエラーになる |
画面が切り替わってカードを離した状態で暗証番号を入力するとエラーになる(エラーコード:E0008=上スクショ参照)。これを3回繰り返すと、マイナンバーカードの暗証番号にロックが掛かってしまう可能性もあるようだ。暗証番号(パスワード)にロックが掛かると、解除するためには役所へ出向いて手続きを行う必要が生じる。
Google Play のアプリレビューには、この罠にはまったユーザからのクレームが目に付く。2020年7月1日現在、アプリ紹介には「暗証番号の認証中にカードを離してはならない」という記載がないし、アプリの画面推移内にもこのような注意喚起は一切見られない。なお、暗証番号とはマイナンバーカード取得時に自身で設定した利用者証明用電子証明書の暗証番号のことだ。
iPhone の場合は、暗証番号入力後にカードを読み込む仕様のため、上記のようなミスは生じない。
(4)スマホの対応機種と設定の確認
対応するスマートフォンの機種はマイナポイント事業の公式サイトに記載されている(PDF)。iPhone は iPhone 7 以降が対応する。非サポート機種ではアプリのインストール自体を行うことができい。
対象のスマホをお持ちでない場合、パソコンのほかにも、コンビニのマルチコピー機、ATM、ケータイショップなど支援端末が設置されているマイナポイント手続きスポットでも登録できる。
パソコンで申請する場合、対応する IC カードリーダライタ が必要だが、スマホを Bluetooth ペアリングすることで、カードリーダライタの代用として使うことも可能だ。
なお、各事業者が独自に登録できる決済サービスアプリを用意している場合もあるが、スマホ利用時にはマイナポイントアプリのインストールは必須になる。
まとめると、「予約受付の打ち切り前に確実に予約をしておくこと」と、「Android ユーザはパスワード入力時の暗証番号ロック回避について注意が必要であること」の2点が留意すべきポイントになる。
マイナンバーカードとスマホさえあれば簡単に登録・申込が可能だが、予約時期が遅れて利用できなくなったり、暗証番号がロックされるなどの失態は避けたいところだ。
Author:對川 徹 - Toru Tsugawa(https://tsugawa.tv/)
Contact : https://tsugawa.biz/contact/
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