近年はネットで簡単に対局が楽しめるため、道場などへ出向くこともほぼ無くなったが、以前は毎週日曜日になると近所の道場へ通ったものだ。
ただ、ここ数年はコンピュータソフトの棋力がトッププロを超えるようになり、個人的に将棋への関心がやや低下してきた。
トップ棋士が何時間も掛けてひねり出した手に対し、瞬時にして数値的に評価を出せるようになっているのだ。
いわば、将棋界のスーパースター羽生善治永世7冠を遥かに上回る頭脳が自宅にあるというのを想像してみて欲しい。
トップ棋士のレーティング基準値を3,200だとすると、ソフトは4,300を超えており、この1,000以上の差というのは「ほぼ勝てない」差を意味する。
2019年現在、私は大会や社団戦などにも全く出ていないのが現状である。
ただ、普段の棋戦はほぼチェックしているし、ネット将棋も週に数回は指すようにしている。
さて、本日は将棋の「棋譜」に著作権はあるのかどうかという議題について考えてみたい。
最近になって、将棋連盟は 棋譜利用に関するお願い というページにおいて、棋譜の「財産性」についての主張を展開した。
棋譜のご使用については、当連盟や各棋戦主催社へのお問い合わせも増えていることから、両者間で協議の上、下記の通りご案内申し上げます。
<棋譜利用に関するお願い>
公益社団法人日本将棋連盟と各社が主催する棋戦で作られる棋譜は両者の共通の財産であり、棋譜の無断使用は両者の財産を損なう恐れがあります。 商業的目的に供する場合など、私的利用の範囲を超えて棋譜(図面を含む)を使用される場合は、事前に下記フォーマットへご連絡をお願いいたします。
今後も当連盟と各棋戦主催社では、棋譜の使用に関して引き続き協議して参ります。
私個人の意見は、将棋連盟の見解とほぼ同じだ。
もっといえば、プロ同士でなくとも、例え一般個人対戦間の棋譜であっても、 棋譜の扱いは厳に注意すべきだと思う。
YouTube などで将棋倶楽部24や将棋ウォーズなどの対局を公開して広告収入を得るユーザを目にするが、これは決してプロ同士のみならず、アマチュア同士(匿名間)の対局であっても、相手の同意なしに一方的に公開することは慎むべきだと思う。
正に、将棋連盟の見解における「棋譜は両者の共通の財産であり、棋譜の無断使用は両者の財産を損なう恐れがある」ことを考えて欲しい。
相手の了承なしに、一般公開して、さらに広告収入を一方的に得るというのは、道義的な面から見ても、決して正義とは呼べない。
少なくとも、相手の了承を得たうえで公開するというプロセスを設けるべきだ。
自身のハンドルネームを晒されたり、時としてひどい内容の将棋を一般公開されることに嫌悪感を抱くユーザも少なからずいるだろう。
加えて、コメント欄で個人攻撃を受けたり、掲示板で中傷を受ける可能性も残す。
プロ同士の対局の棋譜の「著作権」からやや脱線してしまったが、将棋はひとりだけでは楽しみや高揚感、さらには悔しさや苦しさを味わえないという本質がある。
コンピュータと対局しても面白くもなんともない。
人間同士だからこそ様々なドラマが生まれる。見ている人々の感動を呼ぶし、打ち込む姿に引き込まれるのだ。
今一度、将棋の棋譜の著作権やその無断使用に関する取り決めについて、将棋連盟やプロ棋士だけでなく、将棋にたずさわる全員で議論を深める時期に来ているように思う。
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