Adobe がブラックフライデーセール=Amazon の方が安いケースも

Adobe、"ダークパターン" で消費者を惑わす価格表記

誇大広告には注意すべし!70%超OFFの記載に疑問符


Adobe がブラックフライデーのセールを開始した。


Adobe ブラックフライデーのセールを開始



最大72%OFF」を謳っているが、このような大幅割引が適用されるのは「学生・教職員個人版」のコンプリートプランのみのため、大いに注意されたい。実際、Amazon で現在開催中のセールの方が安いケースも多くみられる。


例えば、CC コンプリート個人版(1年間一括)の場合、Adobe 直販サイトは52,536円。Amazon であれば、47,750円(金額はいずれも税込、以下同じ)で、Amazon の方が5,000円近くも安い(11月20日現在)。さらに、パッケージ版を購入すれば、1%分のポイントも付与される。


また、イラレやフォトショなどの単体プラン(1年間一括)についても、Adobe 直販サイトは22,176円、Amazon 20,160円であり、Amazon に軍配が上がる(11月20日現在)。

ただ、学生・教職員個人版は Adobe 直販サイトの方が安価のため、該当する購入者は Adobe のサイトで決済すべきだろう。
また、月々払い希望者は、Amazon では提供されていないため、必然的に Adobe を選択することになる。さらに、InDesign や Premiere Pro などの一部単体プランも Amazon からは提供されていない。

期間については、Adobe は11月22日までの一方、Amazon は11月29日まで開催している。
<Update>Adobe も割引セールを11月29日まで延長。


Adobe 誇大広告の可能性



Adobe は年に数回、このような「最大72%オフ」を謳った非常に紛らわしいプロモーションを行うが、70%を超えるような大幅な割引は「学生教職員版」のみのため、購入者は気をつけた方がいいし、Adobe もこのような誇張を含んだ誤解を与える可能性のある広告は改善すべきだと思う。

もっといえば、この「72%」というのは、同じ「学生・教職員個人版」からの割引率ではなく、「一般個人版」の通常価格からの割引率のため、さらに悪質に感じる。「学生・教職員個人版」の通常価格比でいえば、実際には20%程度の割引(1,980円が1,580円/月になる程度の割引)なのだ。

いかにも「超絶なディスカウント」を感じさせるコピーだが、72%OFFの真相は、「通常は1,980円のところを1,580円にしますよ」というオチ。
Adobe クラスの大企業が、これでいいのだろうか。誤解を与えるような価格を表記して、消費者を欺くことはフェアとは言えまい。
1997年にイラフォトを購入後、20年以上に渡って Adobe 製品を使い続けてきた一ユーザとして残念な気持ちになる。

仮に私がマーケティングの責任者であれば、この表記は絶対に許さない。いわゆるダークパターンに分類されるだろう。今の日本では法に触れないとしても、正義か悪かでいえば、決して「正義」とは言えない。また、欧米では違法となるケースもある。


<関連記事>
Adobe 製品が大幅プライスオフ=11月29日まで


コメント