<Update アリ> PC 向けメモリ、価格上昇続く=2021年Q2は前期比13~18%高の予測

パソコン向けメモリ、価格急騰

世界的な半導体不足の影響を受け、パソコン向けメモリの価格急騰が続いている。

市場調査会社 TrendForce の最新レポート(2021年3月16日付)によると、DRAM 市場は価格上昇サイクルに突入しており、パソコン向けメモリの取引価格は2021年1~3月期に前四半期比で 3~8% 高となり、さらに同年4~6月期は同 13~18% の価格上昇が予測されている。

在宅勤務やオンライン授業の拡大などを背景に、ノート PC の需要が急増しているほか、スマホやサーバ向けメモリの確保なども価格押上げに影響するという。

また、グラフィックス DRAM の価格も大幅上昇が予測されており、半導体業界は "スーパーサイクル" に突入したとみられる。

パソコン向けメモリ

DRAM 値上がり、2021年後半まで続く

TrendForce の分析によると、コンシューマ向け DRAM の契約価格は、テレビやセットトップボックス、スマホ、ネットワーク機器の堅調な需要のほかにも、5G インフラや Wi-Fi 6、AI、家庭用ゲーム機、自動車向けチップの需要が高まることによって、今年4~6月期には前四半期比で最大20%の上昇が予測されている。

パソコン向けメモリの取引価格はここ数か月間上昇が続いており、直近の1か月間だけでも約 4% 値上がりしていた。DRAM の供給不足と価格上昇は、少なくとも2021年第3四半期までは続くとみられている。

<Update 1> ルネサス、工場火災の影響は?

2021年3月19日に発生した半導体大手ルネサスエレクトロニクスの那珂工場の火災により、同工場の半導体生産がストップ。操業再開までに1か月程度、正常化までにはさらに2~3か月要する見通し。 この工場は自動車向け半導体(車載 DRAM)が大半を占めていたため、パソコン向け DRAM に大きな影響は無いようだが、世界的な半導体不足に拍車をかけることは間違いないだろう。

<Update 2> 秋葉原の店頭価格の推移

AKIBA PC Hotline による秋葉原の店頭価格調査でも、パソコン向けメモリの価格は 直近2か月で 20%前後の値上がりが確認されている(調査日:2021年3月20日)。 同レポートによると、デスクトップ向け 32GB DIMMが特に高騰しており、DDR4-3200 32GB×2枚組が 29.6% 高、DDR4-2666 32GB×2枚組は41.0% 高をそれぞれ記録。また、16GB DIMMも 20% 超の大幅な値上がりとなっている。

<Update 3> DRAM 価格上昇いつまで続く?

DRAM チップの価格は、2021年1~3月期に前期比で5.3%上昇した。
世界的な半導体不足と堅調な DRAM 需要を背景に、最新のレポートによると PC メモリの価格上昇傾向は今後2年間は続くと予測されている。

<Update 4> DRAM 価格予想を上方修正

市場調査会社 TrendForce は新たなレポート(2021年4月20日付)において、2021年4~6月期の DRAM 価格について、前四半期比で 18~23% 上昇する見通しを示した。先月のレポートでは 13~18% と予想していた。
DDR4 1G×8 2,666Mbps モジュールの平均価格は、前四半期比でおよそ 25% 上昇しているという。

また、パソコン向けメモリについては、前四半期比で 23~28% の価格上昇が予想されている。ノート PC の増産や需要の高まりを受け、PC メモリ価格の上昇率はさらに高まる可能性がある。

<Update 5> DRAM 契約価格の上昇続く

市場調査会社 DIGITIMES は、最新レポート(2021年5月24日付)のなかで、2021年第2四半期における DRAM の契約価格は20%の上昇になるとの予測を示した。また、同年第3四半期にも2桁の価格上昇を予測している。


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