楽天モバイル新料金「1GB まで無料」→「0円確信」は要注意=高速モード OFF でもデータ利用はカウント

「1GBまで0円」の落とし穴=新プラン Rakuten UN-LIMIT VI、"データ利用量" によって料金が "変動"

楽天モバイルは新料金プランとして「1GB まで0円」という強気の料金設定をアナウンスした。現行の「Rakuten UN-LIMIT V」から新プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」へは、2021年4月1日午前0時に自動アップグレードされる予定だ。

「Rakuten UN-LIMIT VI」1GBまで0円

「自宅は Wi-Fi だし、楽天回線はサブだから一か月に 1GB 超過することは無い」とタカをくくっているユーザは注意して欲しい。楽天モバイルの新料金は 1GB を超えると 3GB までは税込1,078円、20GB を超えると最大で税込3,278円になる "段階性" システムである。

MVNO のシステムに慣れているユーザは要注意= "低速" でもカウントされる

通常、格安スマホの MVNO が提供する "〇 GB プラン "という料金設定は、月に 〇 GB まで「高速のデータ通信が利用できる」という意味だ。〇 GB を超えると自動的に速度が制限されて低速モードにはなるが、低速でいくら通信しようとも料金プラン以上に請求されることは無い。
通信量でユーザが気に掛けるのは、「今月は高速通信で何ギガ使ったのか。残りの高速データ通信容量は何ギガか」という点のみだろう。

楽天モバイル「段階性」料金システム

一方、楽天の新プランはデータ利用量によって料金が変動する。
これはドコモや au など、大手通信キャリアも取り入れている "段階性プラン" と呼ばれるものだが、長らく "MVNO 慣れ" している利用者からすると、今一つピンと来ないかもしれない。

注意するポイントは、「データ通信の速度に関わらず」すべての通信がカウント対象となる点である。このため、気付かないうちに月間のモバイルデータ通信量がかさむ可能性があるということだ。

早い時期に MVNO へ引っ越した利用者の中には、段階性プランを知らないユーザも一定数いるとみられる。つまり、大手キャリアを早々に見切って自己管理してきたユーザにこそ、今回は油断やスキが生じる可能性があるといえる。段階的に自動で料金が上がっていくシステムへの免疫が無いと痛い目にあいそうだ。

繰り返しになるが、楽天モバイルの新料金プランは、楽天回線であってもパートナー回線であっても、全てのエリアで「低速を含めたすべての通信」が累計加算される仕組みであり、一般的な MVNO の料金設定と大きく異なる点は理解しておきたい。

1GB 超ユーザ続出の可能性=楽天モバイル「0円維持」の対処方法

0円をキープしたいユーザはどう対処すべきか。従来の理論や先入観を捨てないと「維持費0円」のはずが、大きなリスクにつながる可能性がある。料金が発生している事態にすぐ気が付けばまだ良いが、クレジットカードの請求を見るまで長期間気付かない可能性も高い。

前述の通り、データ高速モードを OFF に切り替えようが、また、速度制限の有無にかかわらず、すべてのデータ通信が利用量に含まれる。知らず知らずのうちにバックグラウンドでモバイルデータ通信が行われて、ひと月に 1GB を超えるユーザが続出するのは想像に難くない。

以下のグラフは、私が契約する楽天モバイルの2021年3月1日から同月9日までのデータ利用状況である。ほぼ Wi-Fi 環境で使っているため、データ使用量については「ほぼゼロの感覚」だったが、実際は月換算で 2GB 近い使用量になっているのが分かる。

楽天モバイル、実際のデータ利用状況

従来の思考を捨てる=モバイルデータを切る勇気

対処法としてもっとも確実なのは、「モバイルデータ通信」自体を "OFF" にしてしまう事だろう。または、「データセーバー」機能を使ってバックグラウンドでのデータ送受信を制御するのも有効。これらの対処により、予期せぬデータ通信が発生することを抑えられる。
もちろん、モバイルデータを切ってしまうと、Wi-Fi 圏外でネット回線を使ったオンライン操作はできないが、最低限の機能として有料版の電話は利用できる(発・着とも可)。

モバイルデータをオフにする

大前提として、「サブ回線として予備の電話番号の保持および Wi-Fi 環境下の使用」を利用条件とするならば、普段はデータ通信をオフにしておいてもそれほど問題は起きないはずだ。なお、「Rakuten Link」アプリを利用したメッセージの送受信および同アプリ経由の電話の受発信はカウント対象外となる。

"1GB まで無料" は1回線のみ

楽天モバイルのプラン料金が「1GBまで0円」となるのは、1回線目のみとなる点もおさえておきたい。2回線目以降は最低でも月額税込1,078円を要する。

メイン、サブ機で使い分けるのが最善か

スマホ回線を複数持つ時代にあって、少しでも安く、効率よく使っていくうえでのリスクマネジメントは必須といえる。

大手キャリアから ahamo、pove、LINEMO などの新料金プランが登場したことによって、向こう1~2年で MVNO はさらに集約・再編される方向へ向かうことは間違いない。

また、楽天モバイルについては、現状の通信品質、回線エリア、サポート体制などを考慮すると、メイン回線として利用することにはやや疑問符をつけざるを得ないといえる。

このような状況のなか、サブではなくメイン回線の利用を確実に1,000円以内に収めたいなら、楽天モバイルを選択するより IIJmio や OCN モバイル ONE、nuroモバイル などからローンチされた(または発表される予定の)新プランを選択肢に入れた方が賢明かもしれない。

これらのプランは従来通り、高速データ通信の利用が該当月の枠を超過して規定値に達した場合、月末までは通信速度が制限され低速モードへ移行する。

ユーザがチャージするなどの特別な措置を取らない限りは、月々の固定料金から余分に加算されることは無い。回線もドコモや au 回線を利用するため、時間帯的に速度が落ちることはあるとはいえ、電話が通じなかったり電波状況が悪いなどのストレスを感じることは無いだろう。MVNO では、高速・低速モードの切り替えなど便利な機能が提供されているケースも多い。

例えば、IIJmio の 2GB プランは月額税込858円。データ容量が超過した場合、最大 300kbps の速度制限が掛かるが、ネットに全くつながらなくなるわけでは無いし、料金が固定される安心感は大きいだろう。Wi-Fi 接続や速度の切り替え機能を上手に使えば、やり繰りできるのではないか。

実際、MM 総研による最新の調査によると、スマホ利用者の約半数は 2GB 以内の月間通信量に収まっているという。

"パラダイムシフト" が必要なのは "ユーザ側の思考"

楽天モバイルは "第4の MNO キャリア" として市場参入してまだ日が浅い。

意欲的な料金プランや1年間無料など大胆な戦略を打ち出してきたものの、ドコモや KDDI など大手キャリアから 20GB 2,000円台の料金プランが続々と投入されることによって受けるダメージは計り知れない。菅義偉首相や武田良太総務相からの値下げ改革を促す圧力が予想以上に強く、ドコモなどが一気に押し切られた格好だ。

今回の楽天の新料金プランを巡っては、ユーザ側が「安くなるように工夫している」つもりが、返って「余計な経費を払う」ことにつながる可能性がある。特に、1年間の無料期間があるため、キャンペーン終了後にすぐに思考を切り替えられるかというのも大事になってくる。利用者は先入観を捨て、各キャリアの料金体系や利用規約などに目配りをしていく必要があるだろう。

固定観念や自分の中の常識で対処するのは危険な時代である。情報の洪水の中でおぼれぬよう知恵を付けていきたいものだ。

<Source>

Author:對川 徹 - Toru Tsugawa(https://tsugawa.tv/

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