WordPress - PHP バージョンを更新するための準備と方法
サイトで WordPress を運営している場合、PHP のバージョンを最新の推奨バージョンに保つことが重要な要素の一つになる。安全性と表示速度の向上が期待できるためだ。サーバで使用される PHP をアップデートすることによって、脆弱性が修正されるだけでなく、最大で3~4倍程度の高速化が図られる。また、検索エンジンからの評価が上がることで、アクセス増にもつながりやすい。
今回はより安全に PHP をバージョンアップするための手順について解説したい。なお、WordPress が推奨する PHP バージョンは 7.4 以降(最新 8.0.0 もサポート範囲)となっている(2021年3月現在)。
(1)まずはサイトのバックアップを行おう(複数を推奨)
・プラグイン「UpdraftPlus」などを利用すると良い
・FTP 経由でも必要ファイルのバックアップを取っておこう
(2)WordPress 本体、テーマ、プラグインを管理画面からアップデート
・アップデート後、念のためにサイトの動作確認をしておく
(3)プラグイン「PHP Compatibility Checker」をインストールして、PHP の互換性をチェック
・アップデート予定の PHP のバージョンとテーマやプラグインとの互換性をチェックする。最終更新日が古いテーマやプラグインなどで問題が出る可能性アリ。 エラーメッセージが出た場合、可能であればエラーコードを修正するか、またはデベロッパに相談すると良い。対応が難しいようであれば代替のテーマやプラグインを探すなどの対策を講じる。
(4)サーバ側で PHP をバージョンアップ(7.4以降、または最新対応の8.0を選択)
(5)最終的なサイトの動作確認
PHP エラーが出た時の対処
万一、PHP エラーが出るなどして Web サイトが表示されなくなったり、管理画面に入れなくなった場合、 wp-config.php をダウンロード。コード内の define('WP_DEBUG', false); を探して false を true に変更後、アップロードして入れ替える。この状態で https://your_site/wp-login.php にアクセスするとエラーコード(Fatal error: Uncaught Error: Call to undefined function.. や Parse error: syntax error, unexpected.. など)が出るので、問題個所を修正すると大体は解決する。
経験上、更新が滞っている "プラグインを起因" として問題が発生する可能性が高い。プラグインの更新版が無く、また、自力での修正が難しい場合は該当のプラグインを一旦停止するとよいだろう。
なお、wp-config.php のパーミッションが 400 などに設定されている場合、上書きはできないため、サーバ上でいったん消去して新たにアップロードする。問題が解決したら 上記で変更した箇所を元に(false に)戻すことを忘れないようにしたい。
また、WordPress 5.2 以降、プラグインやテーマで致命的なエラーが発生した場合はメール通知されるため、登録しているメールを確認するのが最速かつ最善かもしれない。
このメール内にはエラーの詳細だけでなく、ダッシュボードへ接続できない場合に利用できるリカバリーモードへのリンクも記載されている。
最終的にどうしてもエラーが生じる場合、PHP のバージョンを元に戻すか、または WordPress のフォーラムなどで相談してみよう。
繰り返しになるが、何か大きな作業を行う前には必ず「バックアップを取る」ことが基本かつ重要になる。可能であれば、複数のやり方・複数のファイルで保存しておきたい。バックアップを取る習慣は、様々なシーンにおいて役立つことなので、日ごろから心がけたいものだ。
<参考サイト>
Author:對川 徹 - Toru Tsugawa(https://tsugawa.tv/)
Contact : https://tsugawa.biz/contact/
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