世界的に iPhone が勢いを取り戻す=AirPods も貢献
Apple は2020年1月28日(米国時間)、2019年10~12月期(2020年第1四半期)の業績を発表した。
売上高は918億ドル(前年同期比9%増)、純利益は222憶ドル(同11%増)と、いずれも四半期ベースとして過去最高を記録。ウォール街の予想を大きく上回った。
なかでも iPhone 11 シリーズの売上が好調で、iPhone の販売台数が1年ぶりに上向いた。また、AirPods、Apple Watch などのウェアラブル部門とアプリやゲーム、音楽・動画配信、クラウドなどのサービス部門が売上を押し上げた。
同社のアクティブ端末数はインストールベースで、この1年間に1億台も増えて計15億台と好調だが、Mac と iPad は売り上げを落とした。
iPad については、2020年前半に予想される新モデル投入の期待から買い控えが影響したとみられる。
日本の売上は振るわず=iPhone 大失速、約50万台減か
米国市場以外の売上比率は61%で、欧州、アジア、中国で売上を伸ばした。ただ、日本での売り上げは前年同期比で約10%(約7億ドル)減の62億ドルにとどまった。
カンファレンスコールのなかで、Apple の最高財務責任者ルカ・マエストリ氏は、「(日本のスマートフォン)売上の上位7台のうち6台が iPhone だった」と述べたが、通信契約と端末料金の完全分離が導入された影響で、iPhone の売上がかなり落ち込んだとみられる。消費増税の影響も少なからずあったかもしれない。
日本における出荷台数など具体的な数字は示されなかったが、財務報告書から推測すると、前年同期比で50万台程度は減少したとみられる。日本だけの数字だとしても、かなりインパクトがあり衝撃的な数値だ。
Apple は昨年末から、SIM フリー iPhone を直営店以外でも販売するなどテコ入れ策を講じているが、今後の見通しは不透明のままであり、このまま失速する可能性も十分にあり得る。
つまり、日本では通信キャリアの iPhone 向けに特化した施策の力が大きく、今までが異常に売れていたということだ。
正確な数字は出ていないが、当期の iPhone の国内スマホシェアは減少に転じたと思われる。昨年同期の国内シェアは約5割だった。
ただ、日本のウェアラブルやサービス部門は世界平均を上回る2桁の成長率を達成して好調だったという。
<参考サイト>
・Apple Newsroom
・Consolidated Financial Statements (PDF)
・Apple Q1 2020 financial results conference call
・動画で詳しく解説(YouTube)
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